本記事は、昨年度までに実施した【新事業支援 Vチャレンジ】や【新事業展開テイクオフ支援事業】の伴走支援に参加いただいた事業者さまを取材したものです。伴走支援期間を経た現在の状況や、これからの展望についてお話を伺っていきます。
※Vチャレンジ:大阪府内の新規事業に取り組む約50の事業者さまを、支援機関が約8ヶ月間、その計画の実現に向け、伴走支援をするというプロジェクト。
1959年に創業して65年以上、大阪の東住吉区東田辺で、寒天の水飴と砂糖で作った半生菓子という細工ゼリーを作り続けてきたみどり製菓株式会社。その細工ゼリー、誰もが一度は手に取って食べたことがあると思います。可愛らしく、どこか懐かしいこのお菓子も少しずつ需要が落ちてきていると話してくれたのは、翠大輔さん。

テイクオフ支援事業ではどういう取り組みを?
「今までお買い求め頂いているお客様はもちろんですが、需要が減っていく中でこれからの若い世代や海外の人にも買ってほしい。しかしそれにはパッケージや売り方を変えていく必要があります。
今回は思わず手に取りたくなるデザイン性の高いエンボス缶のパッケージ開発に取り組んでいたのですが、デザイン費用や金型生産などにとてもコストがかかります。その一部にテイクオフ支援事業を活用しました。」
現在、エンボス缶パッケージは完成していてまだ未公開でヒミツ。2025大阪・関西万博で初お披露目をするそうです。しかもみどり製菓さんは万博になんと開幕から閉幕まで出店されるそうです!
特別に新しいパッケージを見せてもらいましたが、鳥やお花が散りばめられたそのエンボス缶だけ欲しいと思うほど。この中に細工ゼリーが詰まっていて、ふたを開けたときのことを想像するとすごく楽しくなります!

メディアとうまくつきあう
みどり製菓の翠さんは、テレビ等のメディアでも姿を見る機会がとても多い。そして伝統的な細工ゼリーに技術を生かしながらも今の時代にフィットしている商品もたくさん開発しています。
「社会の出来事やニーズの中でうち会社であれば何ができるだろう?」ということを常に考えているそうです。例えば、コロナ渦で自社も得意先さまも非常に厳しい中でも、世の中を元気づけるような商品をつくられたり、TikTokやYouTubeなどで若い世代が好んでいるASMRに向いた商品でメディア露出をしていたりします。
これだけメディアに露出しているので、ちょっとした有名人です。
催事販売していたり街で歩いていても「なんか見たことある顔!」とよく言われるそう。
新商品の「おさかなゼリー(Osakaなゼリー)」も最近メディアに取り上げられたそうですが、その製造工程を見ていたお客さまが「このカジキマグロの鼻の部分をつくるのが難しかってんなぁ」と声を掛けてくれたり、商品に親近感を持っていただき購入に繋がることもあるとか。それが口コミでどんどん広がっていく。
近年新卒採用をはじめたそうですが、社員のご家族も店頭で商品を見たり、メディアで見たりすると「こんな会社で働いているのか」と安心にもつながってきます。理想的な循環ですね。


公的支援をうまく活用する
今回のテイクオフ支援事業のように、みどり製菓さんはいろいろな公的支援をうまく活用されています。翠大輔さんが強くおっしゃっていたことが印象的でした。
「僕の場合、もともとやりたいことがあってそれをはじめるタイミングにたまたま補助金があれば活用します。そうすると実現したいことが補助金でブーストされて自社だけでは成しえないことが実現します。補助金を前提として事業プランをたてることはまずないですね。」
公的支援って、支援する側のエゴで事業者さまを巻き込むことがあるけど、この言葉を聞いたとき「事業者さまの想いありきだな」と思いました。
みどり製菓さんのような企業がたくさんあると大阪のまちも、もっと元気になりますね。これからも応援しています!
みどり製菓株式会社
〒546-0032 大阪市東住吉区東田辺3-2-2
https://www.midoriseika.com/
取材協力|翠 大輔 氏