昨年度実施した【新事業支援 Vチャレンジ】や【新事業展開テイクオフ支援事業】の伴走支援に参加いただいた事業者さまを取材する企画がスタート。伴走支援期間を経た現在の状況や、これからの展望についてお話を伺っていきます。

※Vチャレンジ：大阪府内の新規事業に取り組む約50の事業者さまを、支援機関が約8ヶ月間、その計画の実現に向け、伴走支援をするというプロジェクト。

今、ものづくり中小企業の現場は過渡期を迎えています。
機械加工のプロフェッショナルである職人の年齢層が70歳以上となり、それらの技術・知識を継承する若手人口も伸び悩む中、今、技術伝承の途絶えが現実味を帯びて危機的な状況となっています。

これらに問題意識を持ち、立ち上がったのは(株)MVC WORKSの本庄氏。
令和4年度新事業展開テイクオフ支援事業を活用し、「機械加工の技術」の伝承に取り組む新事業にチャレンジされています。
同社は摂津市を拠点とし、各種機械装置を用いた機械加工業を営んでいます。
代表の本庄氏は職業訓練指導員の有資格者でありつつ、機械加工現場にて約20年の経験があり、「即、現場で使える機械加工技術指導」が実践できる貴重な存在となっています。

「当初の想定を大きく超えた展開となっています。」

当初は「機械加工教室」を運営し、若手向けに機械加工の技術を直接指導するという新事業を計画されていましたが、その枠組みを超えた取り組みが現在進行形で進んでいます。
火付け役となったのは、伴走支援を担当した摂津市商工会 白谷氏。
同氏の働きかけにより新たにメンバーが集まり、一般社団法人中小企業ものづくり共創協会としてチームで「日本ものづくり技術の継承」に取り組まれています。

・山之内氏
情報収集結合力を武器に、新商品開発、新規事業立ち上げなどの伴走支援を行う。
大阪府摂津市 摂津ビジネスサポートセンター所長。NPOクラウドファンディングプロデューサー協会代表理事。

・玉城氏
DX、ICT、デジタル化を推進し企業の業務改善に伴走する専門家。
長年の経験を活かし最適なデジタル化戦略を提供し、業務プロセスの最適化や効率化を行う。
新メンバーの参画を経て、現在、若手人材向けの教材として「技術動画」の作成、販売に取り組まれています。

「ものづくりPR動画はいくらでも世の中にありますが、機械操作、加工のポイントを職人目線で映した動画はない。」
とのことで、自身の経験に基づき撮影ポイントを設定し、玉城氏が動画全体のディレクションを担当することで、「分かりやすく、かつ現場の役に立つ動画」を作成されています。
「ものづくり企業が苦手分野とするIT分野の専門家がチームに加わったことで、発信力が格段に高まりました。」と語る本庄氏。
チームワークによる相乗効果が生まれています。

「自分たちにしかできないんじゃないかと思い、行動している。」

様々な業界、分野のメンバーが協業することで多岐にわたるつながりを生み出し、府内工科高校への教材提供や大学での講師活動などの新プロジェクトが続々と立ち上がっています。

「金の切れ目が縁の切れ目ではないですが、利益関係にはいつか終わりが来るので、お互いの価値や共感でつながる関係性を広げたい。」とのことで、「日本ものづくり技術の継承」への取り組みに共感する様々な組織とつながり、輪を広げています。
「全ては雑談から始まる。」をモットーに、これからも枠組みを超えてコミュニケーションを続けます。

株式会社MVC WORKS
〒566-0064 大阪府摂津市鳥飼中３丁目１−番27号
https://www.mvc-works.com/